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⚪︎埋めていくための差 ページ26



ラウールside





碓氷くんは、楽屋の隅の方で椅子に座って本に視線を落としている。
話しかければ返事はしてくれるし、目が合えば会釈が返ってくる。
けど、それ以上は無い。


碓氷くん側から、こちらに対するアクションは今のところ無い。
‥‥ふっかさんの件は俺知らなかったから1回置いとくけど。



碓氷くんが本から視線を外したかと思えば、
ポケットからスマホを出して何やら操作をしている。
そして、しばらく弄っていたかと思えば、
急に立ち上がってドアの方に歩いて行くし。





岩「どっか行くの?時間までには帰ってきなよ。」



「あ、はい。」





どこに行くんだろ、‥‥と気になったのは俺だけじゃないみたいで。
翔太くんと岩本くん以外の7人の視線が部屋を出ていく碓氷くんの背を追っていた。





渡「風磨?」



岩「いや、健人もいるって。」



渡「あー、両方ね。」



岩「今日はSixTONESもいるから、樹もいるだろうし。」





既に知ったことのように翔太くんと岩本くんは話していて。
それだけでも、翔太くんと岩本くんとの差を感じるのに、
その2人から出てきた碓氷くんと親しい3人の名前に、さらにモヤっとする。





岩「気になる?」



阿「‥‥そりゃね。」



渡「んじゃ、行ってみる?碓氷も別に隠してる訳じゃないし。」



岩「乗り気じゃん。」



渡「‥‥俺らが目指すとこも分かりやすくなるし、1回は見たら?って思うけど。」



岩「目指すとこ‥‥かぁ。」





なんか、2人の共通認識が俺には分からないから、話が曖昧すぎて絶妙に意味が分からない。





宮「どっちなの?行った方がいいの?行かない方がいいの?」



渡「現実知りたいなら行った方がいい。けどまぁ、結構クるよ、ダメージ。」



佐「目指す先がわかるって言うのは?」



岩「あの子は、懐いてくれたらああなるんだっていうのが分かるから。
  懐く‥‥は微妙に表現が違うか。心開いてくれたら?」





岩本くんがそう言った瞬間に阿部くんと舘さんが立ち上がった。
2人を康二くんと目黒くん、ふっかさんが追いかけて、
気になってそわそわしている佐久間くんと、
どうしたら良いか分からずおろおろするしかなかった俺も、
岩本くんと翔太くんに促されて、さらにその後を追う。
俺と佐久間くんの後ろから2人もついてきて、
結局、みんな、9人でゾロゾロと見にいくことになった。

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作者名:姫色 | 作成日時:2024年4月13日 17時

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