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ページ28



ラウールside





部屋に戻ってきてから、空気が重い。
じめじめした空気を出してるのは主に阿部くんと目黒くんだけど。
岩本くんと翔太くんはやれやれ、みたいな感じで見合ってるし。





「戻りました‥‥。」



岩「おかえり。」





空気の違和感には気付いたみたいで、
少しきょろきょろと様子を伺っているみたいだった。
残念ながら、覗きに行ったことは知られたくないし、説明はできないんだけど。


ちょっとだけ、恨めしさも込めて視線を送っていれば、
その視線に気付いた碓氷くんが緩く首を傾げる。
手を置いていた横の空席から手をのければ、
俺の無言の主張を察してくれたのか、横に座ってくれた。


膝に頭を乗っければ、慣れたように頭を撫でられる。





ラ「‥‥慣れてるよね。」



「はい?」



ラ「‥‥膝枕も、頭撫でるのも、慣れてる。」





言い分が子供すぎるし、自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
そりゃそうじゃん、碓氷くんだって、今までこの事務所にいたし、
さっきの3人含めそれぞれで関係築いてるんだし。
そもそも俺がこうやって膝枕してもらえるのも、
過去にそれを強請って碓氷くんが慣れてくれたおかげな訳だし。


悶々と言い訳して、落ち着こうとしている間、
困惑からか、頭の上に置かれた碓氷くんの手は動かない。





「‥‥まぁ、人よりは慣れてるかも。
 今までやったことあるし、やってもらったこともあるし。」





敬語がなくなった。
それに驚いて碓氷くんの方を見たら、俺は初めて見るふわっとした笑み。


ぽつぽつと溢すように話されるのは、
俺も、反応を見るに岩本くんたちも初めて聞く内容で。


“人に甘やかされる”のが苦手で、“甘やかす側”になることが多かったこと。
“甘やかす側”をやっている内に“弟ポジ”だったり“弟分”が多くなっていったこと。
けど、少し歳が離れた年上の人たちに“甘やかす側”は失礼なんじゃないか、と思ったこと。



他にも、ぽつぽつと初めて聞く内容が溢れてきていた。





「‥‥ラウールくんが、僕が膝枕をして、
 慣れてるって感じるんだったら、僕が考える理由としてはそれかなぁ。」



ラ「‥‥じゃあ、これから“弟”は俺だけね。」



「え?」



ラ「‥‥“弟ポジ”とか、“弟分”とかは別に良いけど。
  碓氷くんが、“弟”って言うのは俺だけがいいです。」





とんだ我儘だっていう自覚はあった。
けど、碓氷くんはちょっと笑って、「いいよ。」って言ってくれた。

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作者名:姫色 | 作成日時:2024年4月13日 17時

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