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碓氷side
風磨たちのところから戻れば、部屋がなんとも言えない空気になっていた。
ラウールくんが横に置いていた手を退けてこちらをジッと見るから、
あってるのかは分からないけど、彼の横に座れば、僕の膝に頭を乗せてきて。
間違ってはいなかったことにホッとすれば、
膝枕とか頭を撫でるのに慣れているのが何か気に食わなかったみたいで。
僕が“弟”って言うのは俺だけがいい、ってラウールくんが言って。
なんだか微笑ましくなって、いいよ、って言ったら、
ちょっと恥ずかしかったのか顔を伏せてしまった。
かわいいな、なんて思いながら頭を撫でてたら、
ハ、と思い立ったみたいに体を起こしてこちらに向き直る。
ラ「‥‥いいよって言ったよね。」
「うん？」
ラ「碓氷くん、いいよって言った。」
「そう、だね‥‥？」
ラ「碓氷くんは弟に敬語使うの？」
‥‥なるほど。
「狙った？」
ラ「‥‥俺も、仲良くなりたいです。」
「‥‥否定しないんだ。」
なんとなく、北斗くんを彷彿とさせる策士っぷりだなぁ。
‥‥あぁ、こういうのがダメなのか。
「なんて呼んだらいい？」
ラ「‥‥ラウ、が良いです。」
「‥‥‥‥。」
ラ「ダメですか？」
「‥‥いいよ。けど、ラウも碓氷くんと敬語、はやめて？」
ラ「！！じゃあ、すいくんって呼びま、呼ぶね？」
「ん。」
そこまですれば満足がいったのか、また膝に頭を乗せる。
僕もそうだけど、ラウールくん‥‥ラウも同じなのかな？
膝枕とかより敬語外すとか、呼び方を変えるとかの方がハードル高いんだよね‥‥。
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作者名：姫色 | 作成日時：2024年4月13日 17時
