⚪︎むらさきいろ ページ4
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深澤side
あの子は、ちょっと気難しいところがあるんだと思う。
ツン、とした雰囲気を常に纏っていて、あまり人に寄りつかないというか。
タイミングを間違うと、彼との間に大きな壁を建てられちゃうとか。
そもそも、ちょっと、人より警戒心強めがデフォルトというか。
俺らがどれだけ彼に対する“愛”を言葉を尽くしてみても、
あの子自身に半分届いてるのかも微妙というか。
「すいちゃーん。」
「‥‥なんですか。」
「そろそろ休憩しない？」
ダメ押しにみんなもそろそろ休憩し始めてるしさぁ、と付け足せば、
周囲をさらっと見渡して、部屋の隅っこにちょん、と腰を下ろす。
みんなのとこに行く気分では無いのか〜と思いながら、
とりあえず休憩をとってくれたことに安心する。
‥‥この声かけだって、タイミング間違ったら部屋出て行っちゃうからね。
彼自身も、俺らの存在を受け入れてくれてる真っ最中で、
俺らも、彼に受け入れてもらえる努力をしなくちゃいけないわけで。
今までは、役者として1人での活動か、
彼のことを限りなく知り尽くした幼馴染の慎太郎と、
彼との関係を時間をかけて築いてきた樹がいるSixTONESとだった。
けど、ここには、彼の同期の樹と風磨と仲が良くて、
他と比べれば、少し関わりがあった翔太しかいない。
なんなら、加入以前の出来事が原因で、佐久間と彼の間は詰まっていない。
だから、やっぱり時間をかけて、ゆっくり、彼のスピードで、
彼に俺らの存在を許容していってもらうしか無いんだよね。
「え、ちょ、休憩おしまい？早くない？」
スッと立ち上がって移動し始めた彼の背中に慌てて声をかける。
‥‥そんな嫌そうな顔しないで？
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作者名：姫色 | 作成日時：2024年4月13日 17時
