最強メンタルの最高傑作な紅一点【雪男】（33）

あたりまえのように ページ39

目黒side

『よっと…えー何食べよ。めめ何頼んだ？』
目「…このオススメのやつ」
『それもえーなぁ…』


当たり前の様に俺の前でメニューを開いて昼食を選んでるA。
ちなみに今日の予定はAと俺の仕事はばらばらだしここしばらくは出発時間や帰宅時間が被ったら家の前で会うくらいで会う約束なんてしたない。つまり…


目「凄い当たり前の様に相席してくんじゃん。俺が誰かと来てたらどうすんの」
『え？原くんおるん？』
目「俺の友達原だけじゃないから」


たまたま仕事の中開き時間が被って、たまたま同じ店にお昼を食べに入り、たまたま視界に入った俺の席に無遠慮に座ってメニューを選んでる。



目「よく店員さんに止められなかったね」
『あぁ、アレ目黒やねんって言ったら待ち合わせと思ってくれて通された』
目「それで一瞬周りがざわついたんだ」
『見て〜すの双子トレンド入りしてるwww』
目「早すぎw」


言われてみれば視線が増えた気がする…。絶対に相当な声量で言っただろ。


『何か家隣になってから道端とかで会うの減ったからこういうの久々やな』
目「あー確かに久しぶりかも」


前までは散歩に出たりしたら8割くらいの確率でAと遭遇してそのまま一緒に行動してたな。
今じゃ時間が合うことが少ないから遭遇もほとんどしなくなったし、したとしてもお互い次の予定があるからそのまま解散しちゃう。三月の店で飲んでたらだいたい会えるけど。




『めめ次何時から？』
目「16時」
『んならまだまだ時間ありますやん！どっか遊びに行こーず』
目「Aは何時から？」
『17時〜』
目「中開き長いとキツイよね」
『わかる。次の予定気にしながら過ごすのダルいし…かといって何もせんのはもったいないし』
目「なのに遊び行こうとか言ってるw」
『時間は有効活用せなあかんやろ！ほら早よ食え！』
目「俺の倍以上の量頼んで何でもう食べ終わる寸前なの」
『食べんねやったら食ったるで』
目「食うから箸をのばすなw」


ゆっくり台本覚えようと思ったけどAの言う事は基本的に絶対なのが俺らのグループなわけで、台本覚えるのは夜の自分に任せてAとの散歩に変更した。


『ゴチでーす！』
目「まだ払うって言ってないしw」
『今日財布持ってないんよ』
目「嘘つけw他のメンバーに内緒だから」
『なんで？』
目「甘やかすなって俺が怒られる」
『大丈夫やって。全員奢ってくれてるからラウール以外』
目「全然人の事言えないじゃんあの人達」


今までちょっと気にしてた気持ち返してほしい。

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