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「こんばんは」

宮「いらっしゃいませ」

向「Aちゃんやー!」



約束通り、康二くんと宮舘さんが居る日に合わせてやって来た。2人とお話したいからカウンターの席でお願いしたら、前と同じ隅っこの席に"Reserved"って小洒落たプレートが置いてあった。



向「さっくんは?」

「保護者の方に捕まってた
先に行っててーだって」



人当たりの良いさっくんは子どもたちからだけじゃなくて保護者からも人気者。
「佐久間先生聞いてくださいよ、うちの子ね…」ってよくお家での姿を相談されている。



「今日はアニメトークだったから長引きそうだよ」



さっくんがクラスの男の子と戦隊ヒーローの話で盛り上がって、その子のお母さんにもオススメしたみたいで。
「一緒に観てみたんですけど面白いですね〜!」って言われちゃったらもうさっくんは止まらない。



宮「先にご注文お伺いしましょうか」

「お願いします」



さっくん何が好きかなーって考えてたら、康二くんと宮舘さんが「これ好きやで」とか「これもよく頼むね」って教えてくれたから今日はお任せすることにした。



「あと…ちくわの磯辺揚げも」

宮「お気に召して頂けました?」

「はい!すっごく」

向「よっしゃ、俺が愛情たっぷり込めて揚げたろ!」

宮「揚げるだけじゃん。仕込んでるのは俺だから」

向「揚げ加減は俺が一番上手いやろ」



目の前で繰り広げられるやり取りが面白くて笑ってしまう。仲良いなあ。



「あ、さっくんもう着くって」



テーブルに置いてた携帯にメッセージが届く。
一本後の電車に乗れたらしいさっくんは後5分程で到着するとのことだった。



向「なんやえらい嬉しそうやん?」

「へへ さっくんと呑むの久し振りなの」

宮「久し振りのサシ呑みの場に選んで貰えるなんて光栄だね」

向「そんなん俺張り切ってまうわ〜!」

宮「いいよ張り切らなくて。」



もう充分だから。って冷静にツッコまれて康二くんは不服そう。なんかこの2人ずっと見てられるかも。
でも「すいませーん」って他のお客さんに呼ばれてお仕事モードに切り替わると、康二くんは愛嬌たっぷりに接客するし、宮舘さんは手際良く調理を始める。

凄いなーって感心して見てたら、ポンと肩が叩かれて。



佐「ごめんね、お待たせ!」



額にじんわり汗を滲ませたさっくんがニカッて笑って隣に座った。



「…全然待ってないよ!」



肩と肩が触れそうな距離にちょっとだけドキッとした。

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作者名:あむ | 作成日時:2024年4月5日 23時

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