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阿「引っ越し蕎麦って江戸時代から始まった風習らしいよ」
佐「へーそんな昔から？」
今まで食べたお蕎麦の中で一番と言っても過言ではないくらい美味しいお蕎麦を啜りながら阿部ちゃん先生の豆知識を聞く。
阿「そもそも引っ越し蕎麦って引っ越した後にご近所さんに配る蕎麦のことじゃん？
でも当初は蕎麦じゃなくて餅とか小豆粥が配られてたんだって。」
「お蕎麦じゃなかったんだ？」
阿「よりコストがかからないもの！って考えた時に、配るようになったのが蕎麦だったってわけ」
へぇーってさっくんと声が重なる。
さすが先生。物知りだし分かりやすい。
佐「側に越して来ましたーって意味で渡してると思ってた！」
阿「そういう意味も込められてるみたいだよ
ま、後付けだね。
ただ単にコスト削減で蕎麦にしましたってんじゃ味気ないからねー」
「私…配ってない上にこんな美味しいお蕎麦屋さんに連れて来て貰っちゃっていいんでしょうか…」
岩「ふふ さっきから変なとこ心配するよね」
佐「この子心配性なんですー」
私の両肩を持ってお母さんみたいに言うさっくん。
自覚はないけど、さっくんはいつも私は心配性だって言ってくる。人並みだと思うけど。
阿「まあまあ。蕎麦みたいに細く長くよろしくって意味もあるみたいだし？Aちゃんの歓迎会にはぴったりじゃない？」
佐「平日はみんな忙しいけどさ、週末にまた改めてしようね！歓迎会！」
「いや、悪いよそんな…わざわざ時間作って貰うなんて…」
それに全員が集まるとは思えないし…
そりゃあ、一緒に住む以上いつまでも顔を合わせないなんて無理な話だとは思うけど…
岩「反対してる人のこと気にしてる？」
核心をついたひかるさんの言葉にギクッとする。
言葉に詰まってしまって、はいそうですって肯定しているようなものだ。
「図星だ」ってひかるさんに言われてしまう始末。
岩「んー…難しいんだけど、Aさんだからやだって言ってる人は1人も居ないんだよ
よく知りもしないで悪く言うような人達じゃないからね」
佐「そーそー
みんなAちゃんと仲良くなりたくないわけじゃないんだよ」
阿「ふっかとか舘さんは誰かがストッパーにならないとって思ってるんじゃないかなあ」
「ストッパー？」
阿「ほら、みんながみんな佐久間の友達だから！って信用して受け入れちゃってもし万が一何か問題が起きちゃったら誰が責任取るの？ってなるでしょ？」
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作者名：あむ
| 作成日時：2024年4月5日 23時
