◉ ページ32
◇◇◇
[咲良 side]
2018年4月ー
「「「卒業おめでとうー!!!」」」
桜の下でクラスメイトと先生とお祝いを言い合う。
今日は大学の卒業式。
年下の子たちに囲まれて、最初は違和感があったけど、若い子たちの力って凄くて、気がつけばしっかり馴染んでいた。
クラスメイト「A!写真撮ろ!」
「いいよ!撮ろ撮ろ!」
仲良くしてくれた皆と写真を撮って、先生とも撮って、この4年間の話をしていたら、向こうの方から悲鳴?黄色い声?が聞こえた。
クラスメイト「なになに?」
クラスメイト「なんか有名人が来たらしいよ〜」
クラスメイト「え、誰?」
クラスメイト「誰かの彼氏?」
こちらに近づいてくる人だかり。なんか嫌な予感。
嫌な予感は当たり、人だかりは私達を囲んだ。
渡辺「A、おめでとう」
宮舘「おめでとう」
「なん…で…?」
大きな花束を持ってやってきたスーツ姿の幼馴染2人。
何故?どうして?稽古は?と頭の中には?が沢山。
渡辺「一緒に卒業できなかったから…」
翔太は現役で大学を出たけれど、涼太は途中で今の世界で生きていく覚悟を決めて大学を辞めた。
大学までずっとどちらかとあるいは両方と一緒なのが当たり前だと思っていた翔太は自分が卒業するときに寂しさを感じたらしい。そして私が卒業するときに同じ思いをしないようにと滝沢さんに相談して2人でオフをもぎ取ってきたらしい。
「ありがとう」
クラスメイト「よかったら写真撮りましょうか?」
「お願いできる?」
花束を受け取るとクラスメイトがそう言ってくれたので、私のスマホを渡す。
クラスメイト「撮ります!」
美男美女…なんて言いながら何枚か撮ってくれた。
お礼を言ってスマホを受取る。
「ママたちに送らなきゃ」
渡辺「俺らよりそっちかよ」
宮舘「3人とも喜ぶよ」
私とママたちとのグループラインに今撮って貰った写真を送るとすぐに既読になって、イイねや感動といったスタンプが返って来た。
572人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪 | 作成日時:2024年4月6日 18時