とある美術部員の恋事情その５ ページ22
『変な人でしたねー。』
『…う、うん。』
彼に散々引っ掻き回され、この微妙な空気に取り残された三人…
しょうがない、
『…じゃ、じゃあ行こっか？』
もう一度、女の子に手を差し伸べる私。
『…ぇ、ヤダァ…』
『『…！』』
女の子は今にも泣き出しそうで、本当に怖かったんだろうな。可哀想に…
『…ワルイヒトとはいかぁない…』
いやいや、お姉さん達は違うの！
さっきのお面君が勘違いしてたんだよ、と必死に説得するが頑なに私たちを信用してくれない。
『…グスッ…うっ…うわあああ〜ん！』
それどころか、余計に彼女を泣かせてしまう始末…私のバカ！！
…どうしよう…ぐすっ…わかんないよぉ…
小さい子と話した事ないんだからぁ…
もうどうしたらいいかわからなすぎて、幼女と一緒に号泣する私。
『うびゃああああああー！』
『…グスッ…ゔああああ！…どうじだらい゛いの゛！…グスッ…ズビー！』
『いやいや、どうしてAさんまで泣くんですかあ…はぁ。』
『だっでぇえええ！…(泣)』
はぁ。
そうため息をついて、これ借りますよと私にいう彼。
右手にスケッチブックを持っている。
理由を聞くと、
"まぁ、見ててくださいよ"
と、ペンを片手に何やら描きだした。
『できた！』
グク君はそのまま彼女に、スケッチブックを見せる。
『だーれだ？』
『…ぁ！…』
少女の顔がみるみるほころんで行く。
え！？どういう事！
私もそばに行ってスケッチブックを覗くと…
『まぁまぁだー！』
あぁ、お母さんの絵…なるほどね。
それにしても、あの女性にそっくりなスケッチに驚いてしまう。
よく知り合いの顔でもないのに、この短時間でここまで覚えられたものだ…。
やっぱりグク君は、凄い人かもしれない。
『…まぁまのおともだち？』
『…まぁ、そんなところかな。だから、お兄さんと一緒に帰ろ？』
そう、優しそうに微笑みかける彼に一瞬ドキッとした。
なんだか、頼りないとか言ってたけどそんな事なかったな。
『おにいちゃん、えジョーズだね！(ニコ)』
『そうだろ？美術部なんだよ〜』
『びじゅぅつう？』
『そうそう！可愛い女の子をいっぱい描くところだよ♡』
ぺちっ。
彼のおでこに軽くデコピンを食らわしてやった。
もぉ〜、なんすか。そう答える彼に
『べっつにー(笑)』
私も、微笑む。
彼を頼りになると思った事は、
私だけの秘密です。
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愛ちゃん(プロフ) - オリエンスさん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！頑張れます！(^ ^)これからもよろしくお願いします！ (2016年11月20日 18時) (
レス) id: 152a8bc151 (このIDを非表示/違反報告)
オリエンス - 私も美術部ですけど読んでて「うわーそっくり」ってめっちゃ思いましたww二次オタ多いですもん(笑) (2016年11月20日 18時) (レス) id: 7b1a6e6fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛ちゃん | 作成日時：2016年10月7日 20時
