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...
「腹減った、Aなんか食べる?」
シャワーを浴び終えて、ソファーに座り直した臣さんはホテルの朝食メニューをパラパラとめくりながら言った。
「うまそーなパンケーキあるよ?」
チラリとパンケーキのメニューを私に向けた臣さん。
『食べたいですっ!』
思わずはしゃいで答えた私に...
「アハハ、可愛い」なんて笑って言ってメニューに目を戻した。
...可愛い?
あ〜、たまに出る子供扱いですね、と少し凹む。
臣さんはまだ自分の食べるものを真剣にえらんでた。
テーブルに置いてあるスマホがブーブーとバイブ音が聞こえてディスプレイを見た臣さんは
「なに?」
...少しそっけなく電話に出た。
「...嫌だ。...無理。」
何かごねてる様子。
「...んー分かったよ。Aに聞くから...」
そう言ってスマホを耳に当てたまま私に聞いてきた。
「岩ちゃんが朝ごはん一緒に食いたいって...いい?」
『え、もちろんいいですよ』
「いいってー。良かっ...ッチ。途中で切りやがった。...ったく朝ごはんぐらい1人で食えよ」
ぶつぶつ独り言で文句を言う臣さんはなんだか少し嬉しそう。
...やっぱり岩田さんとは仲良しでビジネスパートナー以上の存在なんだろう思う。
ピピッ そう音が聞こえて部屋に入ってくる岩田さん。
「おい、スペアキー返せ。」
手を出した臣さんに
「仕事の為ですから...」
と答えた。
「公私混合だろ」
「あーそうか、今は私的だからわざわざインターホンを鳴らして、わざわざ扉を開けてもらうのを待つべきだったかー」
と、わざとらしく棒読みで言った岩田さん。
やっぱり臣さんと岩田さんのやりとりがおかしくてクスクスと笑った。
その後すぐに運ばれてきた美味しそうな朝食。
丸いテーブルに3人で均等に座って食べ始めた。
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作者名:青空 | 作成日時:2024年3月26日 1時