紅一点×SnowMan⑨ (ページ39)

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⭐︎ ページ39

菊『あのさ。』

「ん？」

菊『なんでもない。』

何か言いたげだったけど、私は深く聞かなかった。
いつものようにハーブティーを出す。

菊『俺、あの時の話を聞きたい。』

「うん。じゃあ話すね。」

私は去年あった出来事を詳細に話していく。

菊『そっか。それは俺も迂闊だったわ。京都でか、、、。』

そう言うと黙ってしまう。

しばらくの沈黙の後、再び彼が口を開いた。

菊『Aだけに背負わせてごめん。』

「、、、ううん。あの時は相談するとかって選択肢が無かったから。風磨には迷惑かけたくなかったの。あとはメンバーも。」

菊『また、付き合うとかってありえないんだよな？』

「、、、そうだね。」

菊『だよな。だけど、嫌いになったとかではなくて良かったよ。』

「それはありえない！そんなの、、、むしろ大好きだったよ。」

その言葉に風磨は目を見開いて固まっている。

「本当に風磨のことは大切だった。だからこそ、あの選択肢しかなかったの。」

『まあ、そうだよね。俺自身がAの立場でもそうしていたと思う。』

風磨のその言葉に選択肢が
間違っていなかったのだと実感する。

「その言葉を聞くことができて良かった。」

『じゃあさ、これからは友達としてよろしくな。』

「うん。もちろん。」

『そしたらおやすみ。』

「おやすみ。」

玄関の扉を閉める彼を見て、
本当にお付き合いはもうしてないのだなと感じた。

そして、こうやって話したことによって自分自身、
肩の荷も降りて、気持ちも吹っ切ることができた。

ーーーーー

菊『おーい、A！もう始めてもいい？』

「あっ。ごめん。大丈夫！」

過去のことを思い出していたら、
ぼーっとしていたらしい。

風磨の声で意識を画面に戻される。

それからYouTube用にただただ過去の話をしていく。

みんなトゲトゲだった頃の話はやっぱりおもしろいな。

菊『まじでさ、今だから言うけど、俺、Aのこと嫌いだったのね。』

「それはひしひしと感じていたよ。直接言われたことあるもん。風磨には。まあ、陰でこそこそ言われるよりはマシだけどね。」

田『ここ2人が仲良くなったのは奇跡じゃない？』

渡『確かに。』